2022年2月26日に上記録音のClubhouse勉強会で話した内容です。
■BlockFi に$100Mの罰金
BlockFiは高利回りなクリプト利子口座を提供してきたが、これは証券であり、証券としての登録をしてこなかった、とSEC(米国証券取引委員会)が判断、BlockFiは$50Mの罰金を支払うこととなった。合わせて32の州にも合計$50Mの罰金を支払うので、合計は$100Mとなった。
これにより、米国在住者に対して、BlockFiはクリプト利子口座の新規提供を取りやめる。既に預金している顧客は除外される模様。また、今後証券としての登録の手続きを行うとしている。
BlockFi以外にもクリプト利子口座を提供しているCelsiusやGeminiもSECの調査対象となっており、今後同様の措置を受ける可能性が高い。Coinbaseは利子口座を提供するとしていたが、昨年9月に計画を取りやめた。
■Luna Foundationが$1B調達
LUNAはステーブルトークン、Terra USD(UST)の価格安定のためのクリプト通貨で、USTの価格が$1を上回るとLUNAをバーンしてUSTをミント、下回るとUSTをバーンしてLUNAをミントすることで価格を$1に保つ。(米ドル以外のステーブルコインもTerraで発行されている)。
このたび、オープンソースのTerraプロトコル開発を行うLuna Foundationが、LUNAをプライベートプレースメントでファンド等に売却、$1Bを調達した。この$1Bは、USTの価格安定のために、UST Forex Reserveという資金プールにビットコインで保管される。将来的にはビットコイン以外のアセットにも分散しダイバーシティを持たせるとしている。
今回のプライベートプレースメントにはSolana・Wormholeハックで$320M分の損失を補填したJump Cryptoも参加している。また、取得されたLUNAは4年間売れない契約となっている。
参考まで、2022年2月26時点での市場価値はLUNAが$29B、USTが$13B。
■ARK InvestのBTC=$1M、Eth=$180,000価格ターゲットの計算根拠
テック企業投資で大きな実績を上げてきたARK InvestのBig Idea 2022 Reportでは10年後のBTCの価格は$1M、Ethは$180,000と予測しているがその内訳は、
BTC(リンク先レポートの55ページ)は世界の通貨の一つとなり、以下の市場を取り込むことで市場価値$28.5 Tとなり、逆算すると1 BTCあたり$1.36Mとなる。
- ゴールドの50%
- S&P 500企業の保有キャッシュの5%
- 機関投資家のアセットの2.55%
- 資産を没収されたくない富裕層の資産の5%
- 国家資産(リザーブ)の1%
- 米国銀行の決済額の25%
- 発展途上国のM2の10%
- 世界の送金の50%
Ethについては(リンク先レポートの65ページ)、DeFiが既存金融機関の市場を奪っていく中で、金融のインフラとしての機能が期待されている。現在の金融サービスの市場価値の合計は$22.5Tで、Ethがそれを代替することになれば、市場価値は現在のほぼ60倍となり、Eth=$180,000となる。これ以外に通貨として世界のM2の一部にとって変わる可能性も考えられる。
■OpenSeaの17人のアカウントから$1.7M相当のNFTが盗まれる
OpenSeaのNFTスマートコントラクトのベースとなっているWyvernプロトコルの柔軟性が悪用された模様。悪用プロセスはTwitter スレッドで説明されているがその最初のTweetは以下の通り。
”Attacker had people sign half of a valid wyvern order, the order was basically empty except the target (attacker contract) and calldata, attacker signs other half of order.”
■スーパーボウルの広告にCoinbase、FTX、Crypto.comが登場
Coinbaseのアップストアの順位は186位から2位へ。
■顧客情報の相互乗り入れを行うTRUST(Travel Rule Universal Solution Technology)が発足
送金の際に顧客情報を確認するTravel Ruleという規定が以前から米国にはあるが、それに準拠するための業界団体がTRUSTで、Coinbase、BitGo、bitFlyer、BlockFi等が発足メンバーとなっている。